ダッシュボード定義の基本

ビジネスステークホルダーと対話する際の主な課題は、データに関する議論が一致していることを確認することです。例えば、eコマースサイトからの「ペンの売上ランキング」を作成するリクエストを考えてみましょう。

1. データの意味

どのアイテムをリストの最初にランク付けするべきか:

• 1ドルのペンが1,000回売れた場合

• 1,000ドルのペンが1回売れた場合

「売上ランキング」の定義は、ステークホルダーの目的によって異なります。

一つの解決策は、両方のランキングを表示または選択できるようにすることです:

• 売上単位数でのランキング

• 売上収益でのランキング

このアプローチは、App Storeが実装している「トップ有料」や「トップ収益」といったカテゴリの表示に似ています。しかし、データの閲覧オプションが増えると、ビジネスユーザーにとっての複雑さが増します。そのため、このランキングの目的と対象読者を明確にすることが重要です。

2. 対象読者

私の経験では、対象読者が知識豊富であるほど、多様なオプションの必要性が高まります。eコマースサイトの管理者は通常、データを分析して洞察や収益性を見つけることに時間を費やします。一方、消費者としては、簡単な体験を好み、最低限の努力でアイデアやインスピレーションを得たいと考えます。これを実現するには、データの計算方法と提示方法に意図的なバイアスをかける必要があります。App Storeはこれをうまく実践しており、ユーザーがログインするとストーリーやカテゴリが表示され、「売上ランキング」の概念は時間とともにあまり目立たなくなっています。App Storeは意図的にバイアスのかかったデータを提示しています。

ペンの例に戻ると、どのようなバイアスを適用すべきでしょうか？「売上ランキング」を「人気度」に変更し、売上単位数に基づいてランキングを行うべきでしょうか？どのデータを誰に提示するかを決定する際には、倫理的な考慮が必然的に生じます。例えば、1ドルのペン1,000本の包装と配送コストが環境への影響を考慮すると利益になるでしょうか？（今日では、オンラインで1ドルのアイテムを注文することも珍しくありません。）購買決定に影響を与えるようなデータの提示方法がより効果的でしょうか？

3. 時間範囲

最後に考慮すべき要素は、売上ランキングの時間範囲です。日次、週次、月次のどれにすべきでしょうか？（楽観的に）生データにアクセスできると仮定して、時間範囲をどのように定義するのでしょうか：

• 午前0時から午後11時59分まで？

• 月曜日から日曜日まで？

• 「月次」とは本当に月の初日から最後の日までのことを意味しますか？

プラットフォームから統合されたデータにアクセスできる場合、そのデータがいつ同期の準備ができるかを正確に知ることが重要です。

結論

ダッシュボードを作成する必要があるときは、次のプロセスを踏みます：

1. ステークホルダーとの会議を行う；

2. サンプルデータを分析し、手動でランキングを実施する；

3. さまざまな出力バリエーションをシミュレーションする。

これ以上効率的で明確なアプローチは発見しておらず、完全なコンセンサスを得るための方法は過去30年間変わっていないようです。